子宮がんは、がんができる場所によって「子宮頸がん」と「子宮体がん」に分けられます。これらは、かかりやすい年齢も発症の原因も全く異なるがんです。「子宮頸がん」は、女性特有のがんとしては乳がんの次に多く、ヒト・パピローマウイルス(HPV)というありふれたウイルスの感染によって引き起こされます。HPVは、女性の約8割が50歳までに感染を経験すると言われています。しかし、HPVの感染から子宮頸がんの発症までは5〜10年以上の年月がかかるため、この期間を利用して発症前に発見しましょう。早期発見の場合、子宮頸部の一部を取り除くだけの手術でほぼ100%完治することができます。近年では、20〜30代の若い女性の発症が増えていますので、若い方も定期的に子宮がん検診を受けましょう。
当院では、経膣超音波エコー検査を併用し、同時に子宮筋腫や卵巣腫瘍のチェックも行います。検診の結果、精密検査が必要な場合は、責任をもって連携医療施設をご紹介いたします。
子宮頸がん 検診 |
子宮頸部の表面の細胞を、綿棒などの器具で軽くこすり取るとても簡単な検査です。約1〜2分ですみ、痛みはほとんどありません。 |
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子宮体がん 検診 |
子宮の入口から細い筒状の検査器具を挿入して細胞をとる検査です。多少痛みを伴うこともありますが、すぐに痛みは治まります。 |
広島市では、20歳から5年ごとに子宮がん検診の「無料クーポン券」が配布されています。また、2年に1度は1,000円で子宮がん検診が受けられる「クーポン券」も配布されます。広島市以外でも同様のクーポン券が各市町村から配布されます。
40代後半から閉経前後にかけ、卵巣機能の低下と共にエストロゲン分泌が急激に減少するため、ほてり・動悸・のぼせといった更年期症状や高コレステロール血症・高血圧症・骨粗鬆症などが現れやすくなります。長寿時代を健康に過ごすために、「更年期ドック」を受け自分の身体を見つめ直す良い時期ではないでしょうか。ホルモン補充療法など早めに治療を開始して、質の高い充実した第2の人生を送りましょう。
※乳がん手術後の方など、ホルモン補充療法のできない方にはエクエル(エクオール含有食品)や漢方療法をおすすめしております。
ホルモン補充療法とは、少なくなった女性ホルモン(エストロゲン)を内服薬・貼り薬・塗り薬・注射などで補うことにより更年期症状を緩和する治療法です。
まず治療前の女性ホルモン量を血液検査で測り、その方に最も適した治療法を症状をみながら選択していきます。子宮のある方は、子宮体がん予防のため黄体ホルモン(プロゲステロン)というもう一つの女性ホルモンを併用する必要があります。最近では、エストロゲンと黄体ホルモン(プロゲステロン)の両方を含むタイプの内服薬や貼り薬もあります。
子宮筋腫などで子宮を手術(摘出)されている方は、黄体ホルモン(プロゲステロン)を併用する必要はありません。早い方で2~3ヶ月、遅くても半年以内には更年期症状の改善がみられます。ある程度、症状が落ち着いてきたら「プラセンタ療法(自費)」や「漢方療法」だけでも大丈夫です。
月経困難症とは、日常生活に支障をきたすような、お腹の痛みや腰痛・疲労感・イライラや抑うつなどの症状が、日常生活や仕事・学業への集中を妨げ、女性の生活の質(QOL)を大きく損なう状態を指します。「生理痛は当たり前」と思い込まず、一度受診してみましょう。
主な月経困難症治療薬 | |
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1 | LEP製剤 (保険ピル) ヤーズ・ヤーズフレックス・ルナベル・ジェミーナ・フリウェル |
2 | 漢方薬 |
3 | 子宮内黄体ホルモン放出システム (ミレーナ) |
4 | トコエル(PMS治療) |
突然の出張や旅行・スポーツ・受験など、ライフイベントに合わせた生理日の移動ができます。(内服薬により、予定の生理を早めたり、遅らせたりできます。)予定が入ったら、できるだけ早めにご来院ください。
当院では、通常の健康診断よりも少し踏み込んだ女性のためのヘルスチェックを行っています。症状の有無により一部検査は保険適応となります。年に1度は自分の身体を見直してみませんか。
検査項目 | ベーシック 婦人科検診 |
妊活セット ブライダルチェック |
STD 性感染症セット |
更年期ドック | |
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1 | 超音波検査 (子宮・卵巣) |
◯ | ◯ | ◯ | |
2 | 子宮頸がん検査 ※ | ◯ | ◯ | ◯ | |
3 | HPVハイリスク抗体検査 ※ | ◯ | |||
4 | 梅毒(TP/RPR) | ◯ | |||
5 | HIV(エイズ) | ◯ | |||
6 | クラミジア | ◯ | ◯ | ||
7 | 淋菌 | ◯ | ◯ | ||
8 | トリコモナス | ◯ | |||
9 | 風疹抗体 ※ | ◯ | |||
10 | AMH(抗ミュラー管ホルモン) ※ | ◯ | |||
11 | プロラクチン ※ | ◯ | |||
12 | E2(エストロゲン) FSH(卵胞刺激ホルモン) ※ |
◯ | |||
13 | 女性内科血液検査 ※ | ◯ | |||
14 | 骨塩定量検査 | ◯ |
子宮頸がん検査 | 市町村のクーポン券が使えます。 |
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HPVハイリスク抗体検査 | 子宮頸がんになりやすいHPV(ヒト・パピローマウイルス)感染を調べる検査です。 |
風疹抗体 | 広島市に住民票をお持ちの方は無料で受けられます。 |
AMH(抗ミュラー管ホルモン) | 卵巣に残っている卵胞数の指標となるホルモンで、年齢を追うごとに低下します。 |
プロラクチン | 妊娠中、母乳分泌のために増えるホルモンで、妊娠時以外で増えると排卵を抑制します。 |
E2(エストロゲン) FSH(卵胞刺激ホルモン) |
更年期〜閉経期に変動します。 |
女性内科血液検査 | 貧血症・肝機能・腎機能・コレステロール・糖尿病など |
避妊の方法に悩んでいませんか?パートナー任せになっていませんか?自分のライフスタイルに合った最も効果的で安全な避妊法で、自分の身体をコントロールしましょう。
コンドームは避妊もできますし、性感染症予防には欠かせないアイテムですが、避妊をこれだけに頼るのは少し心配です。コンドームの正しい使用法が理解できていないと、15%の人が望まない妊娠をしてしまいます。低(〜中)用量ピルの一般的な使用では、その確率は1%以下です。
低用量ピル | トリキュラー28 | 2,750円 (税込) |
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ファボアール28 | ||
ラベルフィーユ28 | ||
中用量ピル | プラノバール21 | 2,200円 (税込) |
確実な避妊ができなかった性交から72時間以内に服用することで妊娠を回避します。ただし、効果(妊娠阻止率)は約85%で、服用しても妊娠してしまうことがあります。
緊急避妊ピル | レボノルゲストレル錠 1.5mg 「F」 | 9,900円 (税込) |
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子宮内に小さな器具を入れることにより受精卵の着床を防いで避妊効果をあらわすものです。一度挿入すれば、約5年間は年1回の定期検診のみでよく、長期間避妊したい方や、ピルの飲めない方におすすめします。
子宮内避妊具 | ノバT (銅付加IUD) |
55,000円 (税込) |
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